販売戦略のための「市場リサーチ」とは

 前回までは、プライベートブランドの考え方と、特許の概要をお伝えしましたので、今回は実践的に物販を経験された方であれば、ある程度意識していることについて整理しておきます。それは、自分が販売している商品・ものの市場規模を知るということです。

 市場にニーズがなければ商売をしても成功しません。市場はニーズによって支えられ、経済は市場によって活性化します。通常であれば毎年2%の経済成長をするといわれていますが、その根源がニーズです。ニーズは何から湧き出るかというと、人間の欲求です。その欲求を満たすために、様々な商品・ものを提供し、対価を得ることでその周りに経済活動が発生します。その集合体が市場といえます。

 その市場を定点的に観測し、数値化することで需要予測をし、今後の物販活動の目標や計画をたてることができます。そして、計画値からはずれた場合は修正を行い、改善することができます。つまり、市場の観測を行わなければ、正確な目標・計画がたてられないことはおろか、間違った方向に成長・突き進む可能性があるということです。

 主観的な観点で物事を進めていると、自分が進んでいる方向は正しいのか、間違っているのかがわからなくなるのです。これは、街頭のない暗い細い夜道を、無灯火で車を運転することと同じなのです。いつ、側道に乗り上げ、あるいは溝にハマってしまうかわからない状態のまま、車を走らせているようなものなのです。

 では、そうならないように市場規模のリサーチの方法をまとめていきたいと思います。

①自分の販売する商品・もののカテゴリーを決める。

 これは、その商品は家電なのか、食品なのか、教育なのか、を決めます。今の段階ではさほど難しくないですね。

②カテゴリーの市場規模を知る

 自分の参画するカテゴリーが、どの程度の市場規模なのかをざっくりと知るために以下のサイトで市場規模を調べてみましょう。

 リンク先→ 市場規模マップ

 ここのサイトでは、日本市場規模の中で自分のカテゴリーがどの程度の規模で、いくらぐらいの市場なのかを知ることができます。また、過去の市場規模もわかりますので、成長しているのか、衰退しているのかということもわかります。自分の市場が成長市場でない場合、そのことを踏まえて計画に落とし込んでいく必要があります。

③競合他社を調べる

 この部分は、とても重要です。自分のライバルとなる競合他社は、わかる範囲で調べてリストアップしておきましょう。そのなかで、シェアがトップの競合社からベスト10くらいまでは徹底的に調べます。ザッと調べる内容は、

 (i)販売ルートを調べる

 (ii)販売先がECサイトであれば、在庫数を調査し、毎日何個売れているかカウントする

 (iii)販売ルート先を考慮して販売数を予測する

 (iv)販売単価と卸価格を調べ、売上高を予想する

 (v)IR情報から売上高を調べる

 (vi)予想とIR情報から数値の精度を調整する

 上記の調査をするだけで、なんとなく市場の規模は見えてきます。

④マーケターによる市場情報を調べる

 ネットには宝が埋まっています。自分のカテゴリーに関する市場調査をマーケターが行っている可能性があり、その情報を全て調べます。だいたいはマーケット会社が全体の情報をネットで高額で販売していますが、数十万から数百万円になり、大企業でないかぎり手が出せません。しかし、中には会員登録すれば情報の一部が見れたり、一部を公開していたりする情報があるので、それらを拾い集め、時系列順につなぎ合わせます。その中には英語やドイツ語などの情報もあるでしょう。しかし、今はGoogle翻訳があるのですぐ理解できます。とても地道ですが、マーケターが見たその市場規模はどの程度なのか、が見えてきますので根気よく取り組んでみましょう。

⑤最終チェック

 ①~④の情報を並べて見た時に、その市場で自分がどのポジションを取ることができるがを理解することができるはずです。リサーチ期間としては最低3ヶ月で、理想は6ヶ月くらいが目安です。というか、自分でリサーチすると、それくらいかかってしまいます。その際のチェックするポイントは、

 (i)成長市場であるかどうか

 (ii)需要規模はどの程度か

 (iii)自分のポジショニングはどこになるか

 (iv)差別化のポイントはなにか

 おおよそこの内容を検討し把握することで、原価と粗利から損益分岐点をだせるところまでもっていきます。そうすれば、自分の商品で勝負できる販売価格がわかり、付加価値を理解することで、価格競争に巻き込まれないような販売戦略をたてることにつなげることができます

 つまり、この市場リサーチがなくては、販売戦略すらたてることができないのです。リサーチせずに立てた販売戦略は、もはや戦略ですらないのです。

 専門家はあらゆる調査網を使って、市場予測をおこなっています。物販を行うものとして最低限これくらいリサーチをしていれば、おおよそ戦略はたてられると思いますので、ぜひ頑張ってリサーチしてみましょう。

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